娘達が医学部を受験したいと思ったきっかけをお伝えします。
受験する学部の志望理由は人それぞれですよね。
その中で医学部は志望理由を明確にする必要があります。
医学部を目指したいと思った理由
長女と次女のそれぞれの
- きっかけ
- それによって感銘をうけたこと
- 自分はどのような医師になりたいと思ったのか
をお伝えします。
長女の医学部志望のきっかけ
長女が医学部を目指したいと思った理由です。
私の母は、3年間の闘病の末、他界しました。
長女は、おばあちゃんが大好きで、赤ちゃんの頃から「おばあちゃんじゃないとダメ」なことの方が多いくらいでした。
熱を出しても、おばあちゃんと会いたがり、おばあちゃんが寝ずの看病をしてくれていたものです。(笑)
長女が中学に入学して間もなく、母が白血病を発症しました。
正確に言うと、最初は骨髄異形成症候群になり、その後白血病に移行したのです。
亡くなったのは、長女が中学3年の高校受験直前でした。
闘病中、主治医の先生が一度変わって、母の最期を看取ってくれたのが、女医の先生です。
主治医に感銘をうけたこと
母の願いは、長女の高校の合格発表を一緒に見に行くことでした。
主治医の先生はそれを充分に分かった上で、体力と薬の投与の兼ね合いの判断をして下さったのです。
何より嬉しかったのは、先生は母の「孫」の話にも耳を傾けてくださり、生きる希望への最高の「良薬」に変えて頂いたことです。
最後の投薬になった時、私達は母に薬の投与をして良いかの判断がつきませんでした。
抗がん剤の副作用が、著しく低下した体力に耐えられない可能性があったからです。
その際先生の私達への背中を押す言葉で、後悔のない選択が出来ました。
そんな主治医の先生と母や私達家族の絆を、娘達は見てきました。
どんな医師になりたいと思ったのか
母と主治医の先生を通して、娘が感じた医師の理想像です。
「神様のカルテ」と言う話をご存知ですか?
本も出版され、桜井翔が主演の映画にもなりましたよね。
人として、医師として、どうあるべきか。
そして医療の問題とどう向き合うべきなのか。
などが書かれており、娘は一生懸命読んでいました。
推薦入試に提出した「志望理由書」の紹介
実際に提出した志望理由書の一例です。
志望理由書には、以下の流れになるように書きました。
- 自分はどんな医師を目指しているのか→病気の治療と心の支えになる医師
- きっかけ→祖母の病気
- 感じたこと→患者本人と家族の精神的負担
- 主治医の患者と家族に対する寄り添い方に感銘を受ける
- 小児科志望①→症状を上手く伝えられない子供を助けたい
- 小児科希望②→子供の治療には親が深く関わるので、親の心の支えになりたい。
- おばあちゃんの闘病で、自分が目指したいと思う医師に出会えたこと
- その医師が「寄り添ってくれる」医師であったこと
- 患者さんと家族の精神的な負担を減らすことができる医師になりたいと思ったこと
その気持ちをいつまでも忘れないで、頑張って欲しいと願います。
次女の医学部志望のきっかけ
次女が医学部を目指したいと思った理由です。
次女にとってお姉ちゃんは、とても恐いけど、とても尊敬している人です。
幼少からお姉ちゃんが大好きでしたが、尊敬するきっかけとなった出来事がありました。
お姉ちゃんに感銘を受けたこと
先ほどの記事で、長女は「希望する高校には合格出来ましたが、希望のコースには行けませんでした。」と書きました。
次女はその高校とそのコースに合格しました。
そして知ってる先生を探しては「妹のことをよろしくお願いします!」と連れて歩いてくれました。
自分の合格発表時、そのコースに番号がなくて、大泣きした長女。
ボーダーラインに一点足りませんでした。
けれど妹には、努力を称え、敬意を表したのです。
その長女の姿に、次女は心を打たれたのでしょう。
それが次女の志望理由です。
どんな医師になりたいと思ったのか
妹としてお姉ちゃんのことは大好きで尊敬していますが、医師の理想像は少し違います。
次女が良く見ていたのは「仁」です。
大沢たかおが主演のテレビドラマでした。
医師が幕末にタイムススリップをして、医療の知識も技術も充分でない中、どのように患者を助けていくのか。
次女は「現場では満足な器具もないだろう。その状況の中でも命を救いたい」と言っていました。
面接で答えようと思ったポイント
次女は一般入試での受験でしたので、志望理由書は必要ありませんでしたが、面接で答えるつもりだったポイントです。
- 自分の尊敬する人は姉である。
- その姉の志に共感し、自分も姉のように「医師」になりたいと思った。
こちらに医学部必須の面接対策について詳しく書いた記事です。
参考にして頂けたらと思います。
もう一つ、実際の娘2人の医学部面接の体験談です。
これからも誰かを「尊敬する」「認める」ことが出来る人であり続け欲しいと願います。
長女に比べると次女は「医学部志望理由」らしくないかもしれません。
「医療」について「感銘」をうけた場面は、直接はないからです。
実際、そんな受験生もいるのではないでしょうか。
志望理由は立派でなくても良いと思う
- 「同級生の多くが医学部志望だったから」
- 「あこがれる職業だから」
志望動機がこんな理由の受験生もいると思います。
そんなきっかけを、このように言い換えてみてはどうでしょうか。
①「同級生の多くが医学部志望だったから」
→次女の志望動機と重なりますが、「自分の尊敬する人と同じ志を持ちたいと思ったから」
「周りの人に流された」のではなく、自分にも影響を与えるほどの「周りの人の素晴らしさ」を伝え、そこから「医師」への目標が定まったことがきっかけになったと言えるのではないでしょうか。
私の甥っ子は現在、灘中学校に通っています。
クラスメイトの大半がお医者さんの息子さんだそうです。
子供4人とも東大理Ⅲに合格した佐藤亮子さんの著書にも、灘中の「医学部志望」の多さに触れています。
②「あこがれる職業だから」
→「医師」は医療従事者のなかで、総合的な判断が出来て「治療」のための指示が出せる立場にあるから
医療従事者は「医師」だけではありません。
「人を助けたい職業」も「医師」だけではありません。
ではなぜ「医師」なのか?
「医師」は
- 病気を診断
- 治療方法を判断
- 治療のための指示
が出来ます。
逆に言うと、「医師」しか出来ないことです。
そのため、「医師」になるためには高い学力と面接で「医師にふさわしいか」が問われます。
相当な努力が必要です。
それ故「あこがれる職業」になるんですよね。
こんな風に「立派な志望動機」にならないんじゃないか?と悩まずに、ささいなことを「思想の変換」してみてはどうでしょうか。
志望理由で大切なこと
志望理由を考えるにあたって大切だと思った2つお伝えします。
- ブレない志望理由
- 「きっかけ」から「どんな医師になりたいか」を考える
ブレない志望理由
医学部であっても他学部であっても、受験する理由はそれぞれですよね。
正直、長女の時も次女の時も、志望理由が本当にそれで良いか悩みました。
でも面接練習の時、それについて多方面から指摘を受けた時、結局何も答えられなくなってしまうのです。
だから2人共、「ありのままの気持ち」を話すことに決めました。
それによって、自分の想いを「ブレることなく」伝えられると思ったからです。
立派な志望理由が本音なら、勿論それにこしたことはありません。
でも、そればかりを意識しなくても思います。
どの角度から質問でも、その返答が「ブレない」ことが大切だと思います。
「きっかけ」から「どんな医師になりたいか」を考える
「きっかけ」は「きっかけ」です。
どうして「医師」になりたいと思ったかは、とても大事なことだと思います。
それ以上に、「どこの部分に共感または感銘したのか」
そして、「どんな医師になりたいのか」
これが最も大切にしたいところではないでしょうか。
試験勉強もしなくてはいけないのに、志望理由も明確にして…と医学部受験生はやることが多いです。
でも志望理由を明確にすることで、自分のモチベーションの向上に繋がるとポジティブに考えてみませんか。
ひとことメッセージ
医学部には必要な「志望理由」
- どうして医師になりたいと思ったか。
- どんな医師になりたいと思うのか。
立派な理由でなくても、立派な言葉でなくても、熱意は伝わるはずです。
自信を持って「ブレない自分」を見せてください。
第99回箱根駅伝総合優勝の駒沢大学の監督の言葉です。
「情熱に勝る能力はなし」
高い志を持つ医学部志望の受験生です。
情熱がないはずありません。
「自分の想い」を「自分の言葉」で!
応援しています!頑張ってください!